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政府系金融機関 民間人トップに改革を委ねた(9月30日付・読売社説)

1年後に民営化が始まる日本政策投資銀行の人事、今後もやはり大蔵省、財務省出身者が主要役職に就く可能性が高いとか。
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政府関与の必要が薄れた部分は民営化し、残る部分も効率化を図る。そんな「官から民へ」を掲げた政府系金融機関改革の実務は、民間出身者の手に委ねようということなのだろう。

 来年10月に民営化が始まる日本政策投資銀行の総裁に、室伏稔・前伊藤忠商事会長の就任が決まった。国際協力銀行の国際金融部門や国民生活金融公庫、中小企業金融公庫などを統合して発足する日本政策金融公庫のトップには、前帝人会長の安居祥策・中小公庫総裁が起用される。

 今回の人事は、政策投資銀、国際協力銀、国民公庫の3機関の総裁が9月末に任期切れを迎えるのを機に、政府が人選を進めていた。三つの総裁ポストは、これまで旧大蔵省(現財務省)の事務次官OBが占めてきた。安倍前内閣は後継に民間人の起用を目指したが、給与面の違いなどから難航してきた経緯がある。

 政策投資銀は、来年10月に株式会社に移行した後、5〜7年かけて完全民営化する。現在は財政融資資金の借り入れや政府保証債の発行で資金を調達しているが、完全民営化後は政府保証も付かなくなり、調達コストが上昇する。

 従来のような大企業向け中心の融資業務は民間銀行との競争も激しく、安定した経営は難しい。収益性の高い、新しいビジネスモデルの構築が必要だ。企業に投資して再生や成長を手助けするファンド業務などの拡充を模索している。

 室伏氏は、産業界とパイプが太く、事業金融も手がける商社のトップとしての知識と経験が、評価されたのだろう。

 政策投資銀には、大口融資先である日本航空の経営再建など、経営の重荷になりかねない問題もある。その処理をどう進めるかも、新トップの課題だ。

 日本政策金融公庫が、統合の実を上げるには、統合前の各機関ごとの縦割りを廃し、いかに効率的な業務運営体制を作り上げるかが、カギを握る。

 結局、国際協力銀は、大蔵事務次官経験者の田波耕治副総裁がトップに昇格、国民公庫は薄井信明総裁が再任することになった。2人は安居氏に協力して、統合への準備を急がねばならない。

 一連の人事では、田波氏の後任などが補充されず、財務省の天下りポストは削減された。だが、政策投資銀の副総裁には、前事務次官の起用が決まり、日本政策金融公庫の国際部門のトップも財務省出身者が続けて就く可能性がある。

 新しく生まれ変わる機関の役職が、特定の経歴を持つ官僚OBのポストに固定されるのは望ましくない。能力本位の人事をどう実現していくかも、課題だ。

(2007年9月30日1時54分 読売新聞)

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